野菜工場「汐留菜園」で初の収穫祭-イタリア人シェフがサラダに

「植物工場」で作物を収穫する子どもたち。O157など病原菌の侵入を防ぐため、工場内では完全防備で作業を行う

「植物工場」で作物を収穫する子どもたち。O157など病原菌の侵入を防ぐため、工場内では完全防備で作業を行う

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 カレッタ汐留(港区東新橋1)のキャニオンテラスにある水耕栽培のデモ農園「汐留菜園」で12月12日、初の収穫が行われた。当日は港区在住の親子20組が招待され、子どもたちは順番に成長した野菜の収穫を楽しんだ。

収穫を待つ「汐留菜園」の野菜

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 同菜園はショーケース状になった棚での培養液による水耕栽培。人工照明(CCFL管)で24時間光を与え、自動で温度や給排水を管理するため、ほとんど人手もかからず一定の水準で安定した収穫が見込める。レストラン内や商業施設などで手軽に育成できる「小型植物工場」として、「店産店消」を目指し開発したという。

 展示されている「植物工場」の大きさは幅5.35メートル、奥行1.26メートル、高さ2.2メートル。栽培棚は5段で、栽培面積は15.6平方メートル。作物の手入れなどの作業をするときは棚を前面に引き出し、作業スペースを確保する。「植物工場」は組み立て式で、小さいサイズでの展開も可能という。

 企画運営は電通ファシリティマネジメント(中央区)で、関東経済産業局の先進的植物工場推進事業の一環。今回収穫した野菜は11月10日に種をまいたもので、リーフレタス、レッドファイヤー、レッドマスタード、ルッコラ、玉レタスの5種類300株をこの日収穫した。

 収穫祭に参加した子どもたちは菜園内に病原菌が入らないよう、帽子、手袋、マスク、靴カバーを身に着け完全防備。順番に「植物工場」の入り口のエアシャワーを浴びて中に入り、思い思いに野菜を収穫した。森田祥平君(小5)は「1カ月で野菜ができるのがすごい」、渡辺慶次郎君(同)は「野菜にもいろいろな名前があることを知った」などと話した。

 収穫した野菜は訪れた人々先着100人に2種類ずつ配布したほか、カレッタ汐留のイタリアンレストラン「BiCE TOKYO」総料理長のアンドレア・ブランビラさんがシンプルなサラダにして振る舞った。サラダを試食した主婦は「おいしい。高原野菜のよう。苦みが少ない」と汐留産新鮮野菜を」味わった。

 「露地野菜の約3分の1の期間で収穫できる。虫もつかないので無農薬の安心野菜。必要なだけ収穫すればよいので無駄もない」と同社広報担当の小場さん。溶液には窒素、リン酸などの栄養素を添加しており、「露地野菜よりビタミンA、カロチンが高くなる」とも。

 開園時間は11時~16時。2月26日まで。

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