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新橋の名画座が閉館へ-半世紀にわたり地域に娯楽を提供

ガード下の名画座として、半世紀にわたり地域に娯楽を提供してきた

ガード下の名画座として、半世紀にわたり地域に娯楽を提供してきた

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 JR新橋駅烏森口にある名画座、「新橋文化劇場」と「ロマン劇場」が8月31日、1957(昭和32)年から続く歴史に幕を下ろした。

最終上映に並ぶ映画ファン

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 同劇場は、ガード下の名画座として、半世紀以上にわたり地域に娯楽を提供してきたが、JRの耐震補強工事に伴い閉館することになったという。

 「文化劇場」は封切り上映を終えたハリウッドのアクションやサスペンスなど、洋画を中心に幅広い作品を紹介した。併設する「ロマン劇場」は成人向け映画を上映し、多くの映画ファンに親しまれていた。

 それぞれの劇場で最終上映に選ばれた作品は、文化劇場はロバート・デニーロ主演の「タクシードライバー」、ロマン劇場は日活ロマンポルノの「(秘)色情めす市場」だった。

 同館副支配人の遠藤さんは最終上映作の選定について「同館に通っていただいた方なら想像がつくのでは」と明言を避けた。

 浜松町に勤める女性は「最終上映がタクシードライバーということで、納得の選択。電車が通るたびに、その音と振動が伝わるこの雰囲気が好き。最近、文化劇場を知って通い始めたばかりだったのでとても残念」と語った。

 年に20回ほど、20年間通い続けたという米崎さんは「こういう映画を上映してくれる名画座が次々と無くなってしまう」と閉館を惜しんだ。

 普段は1日かけて100人ほどの集客だが、最終上映回は立ち見客を含め約120人が来場。上映終了後もしばらくは同館前の路上で外観を撮影する人や、思い出を語る人など、去りがたい雰囲気が漂っていた。

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