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森ビル、神谷町駅近くで建設中の超高層ビルを公開-年末の上棟前に

上棟間近の「虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業」。RC構造の超高層複合ビルは「恐らく日本初」(森ビル広報担当者)という

上棟間近の「虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業」。RC構造の超高層複合ビルは「恐らく日本初」(森ビル広報担当者)という

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 森ビル(港区六本木)は12月14日、神谷町駅近くで建設中の超高層複合ビルと低層の住宅棟から成る「虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業」(虎ノ門5丁目、六本木1丁目)を報道関係者に公開した。

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 同事業は2009年10月に着工。年内に上棟を行い、2012年8月の竣工を予定する。超高層ビルは、敷地面積約1万5370平方メートル、地上47階(屋上階に塔屋1階)・地下4階で、地下2階~2階=店舗、3階~24階=住居、25階~47階=オフィスとなる予定。敷地南側の住居棟は地上8階建てで、1階が店舗となる。

 ビルは環境や災害対策に注力。特に3月11日の東関東大震災を機に、23区内の企業を対象にBCP(事業継続計画)に関する意識調査を実施。その結果を基に非常用発電システムを見直し、当初石油系燃料による1機のみだった非常用発電機を中圧ガス(都市ガス)とのデュアルタイプ2機に変更した。これにより、非常時でもビル全体の使用電力85%の供給可能となり、オフィス機能が保たれる。

 設計の大幅な変更で「場所の確保に苦労した」と担当者。「六本木ヒルズのような特定電気事業は無理でも、それに近いものはできないかと知恵を絞り、同システムを登用した。自律分散電源として、今後高層ビルのモデルケースとなれば」と話す。竣工後は食糧や飲料水も備蓄する。

 地震対策には、複合棟には制震構造、住宅棟には免震構造を採用した。制震構造は、「粘性体制震壁」「ブレーキダンパー」で振動エネルギーを制御するもの。「粘性体制震壁」は、床に固定された鉄製容器内の粘性体が風揺れから大地震までの揺れを吸収。車のブレーキ材と同様の材料を用いた「ブレーキダンパー」は、震度7クラスの大地震にも対応する。

 このほか、地域在来種を中心とする生物多様性に配慮した緑化づくりにも配慮。日本生態系協会によるハビタット評価認証(JHEP)のAAAランクを取得したという。最上階は緑化され、ヒートアイランド対策とするほか、塔屋の上には太陽光パネルを採用。年間3万キロワットの電力を生産し、10トンの二酸化炭素(CO2)削減を見込む。

 同社は今後、虎ノ門エリアの再開発に力を入れる予定で、2013年竣工予定の21・25森ビル建て替え計画、2014年竣工予定の環状2号線プロジェクトなどを進める。

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